人差し指を唇にあてて…
その途端今まで静かだった学校が爆発したみたいに騒がしくなった。
耳をすませて聞いてみると、
「この学校に転校生!?」
「みて!リムジンからお嬢様らしき人でてきたよー」
「うちの制服着てるよー」
「隣の男の子だれー??めっちゃイケメンなんだけど!!」
と聞こえてきたのは、どうやら私達の話だった。
私は瞬のほうへ視線を向けながら、
「瞬、大注目だよ」
と話した。
「そうですね。でもそれよりも遅刻にならないか心配です」
「走る?」
「いえ、桜様、少々我慢してくださいね」
瞬はそう前置きしてグイっと腕を引っ張ったかと思うと次の瞬間には私は瞬にお姫様だっこをされていた。
「では教室まで走りますね」
瞬は私の顔を見てニコッと笑いそう言った。
二段飛ばしで瞬は私を抱えながら2階へ向かった。
やっとの思いで教室に着いたがすでにチャイムは鳴っていた。
完全に遅刻覚悟で教室に入ると、クラスメート達は窓にへばりついていて、それを先生は呆れ顔で見ていた。