人差し指を唇にあてて…
小さい時に両親を亡くした瞬は本当の温かさを知らないで育ってきた。
だからお母さんはその温かさを少しでも知ってほしいと願って施設にいた瞬を引き取って私と同様精一杯の愛情を注いでくれた。
小さいころの瞬は小さい子なりにその愛情を戸惑いながら受け止めてくれたけどやっぱり本当の子のようにはいかなかった。
そんな瞬をみて、
ある日私はその当時あんまり人と関わるのが嫌いだった瞬に子供なりにいっぱいおはなしした。
瞬は嫌そうにしてふんともすんとも言わなかったけど私は毎日話しかけた。
そのおかげからか最初とは違って瞬は私と少しずつおはなししてくれるようになった。
私のまわりには同じ年齢ぐらいの子はいなくて毎日退屈だったけど瞬とおはなしするようになって私は毎日が楽しみになった。
そんな毎日があって、瞬と私はなんでも話せるオトモダチになった。
けれどそんなしわあせな毎日は続かなかった。