人差し指を唇にあてて…
「お母さん、今日もありがとね」
「桜、起きたら電話にでてよ。何回も電話鳴らしたんだよ?」
私のお母さん、真井田 奈美恵は娘の私にもいつも友達口調で話す。
「ごめんなさい」
ぺこりと頭を一度下げてから私はフランスパンの最後の一口を口に放り込む。
ごちそうさまと言って急ぎ足でお皿を横の調理室に置きにいく。
そして再び食堂へ戻ってくるとバッチリ制服に着替えた瞬がいた。
「桜様、お皿を…申し訳ありませんでした」
瞬は私を見るなり、ペコッと頭を下げて謝った。
「そんなの別にいいよ。
それよりお父さんが学校へ送っててくれるから早く行こ?」
お父さんはすでに車庫へ行ってるのかいなかった。