Call My Name
俺は、別に重要視してねえし

見合いなんて、どうにでもなるってどこかで思っていた

絶対、この見合い女と一緒になれなければ、いけないってわけじゃないだろ?

親父は跡目が欲しいだけで、女が欲しいわけじゃねえんだから

俺が継いだあとに、さらに後継者の心配をしたくないだけのこと

見合いなんて、関係ねえよ

だけど…真面目な兄貴にはそう捉えられなかったみたいだ

俺との電話のあと、家でどんな騒動があったかは…俺は知らない

けど、俺が寝ようと思ってベッドの中に潜ったとき、実家から電話があった

『景、香が見合いをすることになった。今年度いっぱいで教師を辞めて、家に入ると』

声は親父だった

親父も少し驚いている…というか、俺に申し訳なさそうに話をしていた

「はあ?」

俺は布団を蹴って、眉に力を入れる

『お前たちに何があったんだ?』

「知らねえよ。俺が聞きたいっつうの。なんで…兄貴が」

『お前の見合いをひどく嫌がっていたぞ。どうしても見合いをするというなら、自分がやる、と』

俺は深いため息をつくと、額に手をあてた

そんなに、見合いがいけないのか?

見合いイコール結婚ってわけじゃねえんだし、兄貴は少し重くとらえ過ぎだって

それに兄貴が見合いをしたら、ツバキはどうなるんだよ

ツバキが悲しむようなことをすんなって
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