Call My Name
俺はなんてことをしたんだ

スイレンの足を枕にして、しかも抱きついて寝ていたなんて……ツバキに知られたら殺される

俺は自分の額をペチンと叩くと、がくりと頭を落とした

「ごめん」

俺は小さな声で謝った

「ううん」

スイレンが首を左右に振った

「今、何限?」

「ついさっき6時間目の鐘が鳴ったよ」

スイレンが答えてくれる

「もしかして…俺、2つもスイレンに授業をサボらせた?」

俺がスイレンの足を枕にしてたから

スイレンは真面目な子なのに、授業に出ないなんて知られたら、マズいんじゃないのか?

俺がサボるのとは、違うだろ

俺は顔をあげると、スイレンの顔を見つめた

あれ?

陽にあたるスイレンの髪が、少し明るい気がする

「スイレン、髪…染めた?」

俺はスイレンの髪の毛に吸い寄せられるように、指が勝手に動いた

スイレンの柔らかい髪を、指に絡ませる

スイレンが下を向くと、顔を赤くさせていた

心の奥では、シグナルが点滅する

これ以上、スイレンに触れるな

触れちゃいけない

戻れなくなる

感情を抑えられなくなる

だけど…俺の欲望は、スイレンに触れたいと叫んでいた

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