Call My Name
「どうしてわかったの? ツバキもナデシコも気付かなかったのに」

スイレンが嬉しそうに微笑んだ

え? マジで

あいつらも気づかなかったくらいの変化だったのか?

「少しだけ、ね。染めたの」

スイレンが軟かい声で、話す

俺はスイレンの短い髪から、指を離す

「似合ってるよ」

「あ…ありがと」

スイレンが顔を真っ赤にすると、下を向いてしまった

俺はスイレンの頭を撫でると、立ち上がりながら、寝ている間に顔から落ちた本を手に持った

元の位置に戻すと、俺はスイレンに振り返った

「あのさ…飯、食いに行かね? 腹、減った」

俺は腹を擦ると、ぐうぅっと重低音が鳴る

俺の腹は正直だ

昼を食べてない腹は、飯を食えと訴えている

スイレンがにこっと笑うと、立ち上がった

「実は私も…」

スイレンが肩を持ち上げて苦笑した

今だけ…スイレンと一緒にいたい

6時間目の終了の鐘が鳴るまでの間だけでいいから

スイレンと、過ごしたい

そしたら、俺はスイレン以外の女を探すから

それまでは、スイレンと過ごさせてくれ

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