Call My Name
「あ…いや、すみません。なんでもないです」

一年の女子が慌てて、頭を下げた

「頭、あげろって。そんなにビクビクすんなよ」

俺は困った声をあげた

なんか気になる子だな

なんでそんなに怯えてるんだよ

「あれ? リンの友達だよねえ? どうしたの?」

教室から顔を出していたクラスメートが、廊下に出てくると一年の女子に声をかけてきた

「あ、こ…こんにちは!」

一年の女子の顔が、ぱっと明るくなる

あ?

「あ、ああ。こんにちは」

俺の肩に手を置いたクラスメートが、一年の女子に手をあげて挨拶をした

なに…知り合い?

「お前の知り合い?」

俺はうしろに立っているクラスメートに質問した

「知り合いっていうか…リンの友達?」

「ああ、最近できた女な。よくあんな女と付き合う気になるよな? 俺にはわからねえ」

「立宮弟にはわからないよ」

「うるせーな」

わからなくて悪かったな!

俺は肩の上にあるクラスメートの腕を、叩き落とした

「…で? 1年生の女子がなんでポッキー持って、3年の教室に行こうとしてんだ?」

俺は、1年の女子に質問した

「え? あれ? セイちゃんとリンちゃんに……」

「あいつらなら、小遣いが入ったからって、ケーキ食いに帰ったぞ」

クラスメートが、親指を立てると正門がある方向に指を指して口を開いた

「…ったくさ。彼氏の部活が終わるのを待てっつうだよなあ」

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