Call My Name
喧嘩をしたボロボロの身体で家に帰ると、兄貴がすげえ怖い顔をして家で待っていた

組の下っ端連中に、体中を冷やしてもらいながら、俺は兄貴の前に座った

兄貴がテーブルに手をつくと、俺を睨むように見つめてきた

「どんな理由があろうと…ここまで荒れるなんて、僕は許せないよ」

開口一番の兄貴の声が凄く低くて、俺の腹の底が震えた

怒ってる

兄貴が、怒りを感じてる

俺は兄貴から視線を逸らすと、「いいだろ、別に」と呟いた

これで親父との約束が一つクリアできたんだ

青のチョーを叩いて、今日から俺が青族のチョーになった

いいことじゃん

この家を継ぐものとして、最高の喧嘩じゃんか

「景っ、僕の顔を見なさい」

「んだよ」

俺は兄貴の顔に視線を戻すと、ふてくされた顔をした

「最近の景は、どこかおかしい。どうしたの? 何かに悩んでるなら……」

「兄貴が解決してくれんのかよ。俺が、どんな悩みを抱えていようが…兄貴には関係ねえだろ」

「景っ」

「うるせーよ。何も知らねえくせに」

兄貴が何とも言えない苦しそうな表情になる

なんだよ…今度は被害者ヅラかよっ

いっつものその顔で、俺は……

兄貴のその顔で、何度俺が苦しめられてると思ってるんだよ

ふざけんなっ

どいつも、こいつも自分勝手だ

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