Curvilinear.8
6月29日 金曜日
※『PM16:06』※





ガバッと起きた
「やべっ寝過ぎた!!」
教室には誰もいない…シーンと静まり返っていた…
「あっちゃぁ…ったく…友也と矢野の野郎…起こせよって言ったのに…」
俺はカバンを手に取り昇降口へ向かった…





何かがおかしい…
確か今日は金曜日だよな…いつもなら聞こえてくる野球部とかの勇ましいかけ声が聞こえない…
そしてもう一つ…こんな広い学校で多い生徒らがいないのだ…
「まさか…学校にいる生徒って俺だけ?…んなアホな…」
昇降口に着き他のクラスメートの外履を見ると…ある…
「な…」
俺は考えた…
まさか体育館とかで臨時で全校集会をやってるとか考えた…急いで体育館に行くも誰もいない…そうなれば悪質なイタズラかと思った…
「はっ…質の悪ぃイタズラだ…やってらんねーぜ全く」
俺は外履に履き替えて昇降口から出て行こうとした…



っとそのときだった!!

ゴンっ!!

「ガハッ!?」
壁があるかの様に顔面を強打した…
「なっ!?なんだこりゃぁっ!?」
俺はびっくりしながら壁を触った…
目の前には夕暮れのグラウンドが見えている…が『外』には出られない…そこには『見えない壁』があった…
「ど…どうなってんだよこりゃぁ?」
俺は辺りの出口を触ってみたがやはり壁が存在していた…
「待て…落ち着け…外の風景がちゃんと見えてんだぞ…『見えない壁』なんざ現実的にゃぁあるわけねぇ…いや…高密度なガラスなら…」
俺は拳を握り締めその壁を殴った…

ゴンッ!!

「あぁ…痛ぇ…間違いなく痛ぇ…って事は間違いなく夢でもねぇって事か…なら強行で…」
俺は辺りを見て堅い物を探した…ナイスな所に椅子があって俺は思い切ってその椅子を投げた…しかし…

ゴンッ!!

「ヒビすら入んねーのかよ…クソ…質の悪ぃイタズラだな…」
クラスみんなの外履があるんだ…みんなどこかに隠れてる筈だと思い俺は全部の教室を調べ回った…が誰1人いない…
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