Curvilinear.8
次第に俺の額に嫌な汗が出てきた…
教室には誰もいない…なら職員室ならば誰か先生がいるのでは?
俺は走って職員室へ向かった…そして勢いよくドアを開けた…

「よっ草沼」
「テンパってんなお前も…」
職員室に友也と矢野…慶太郎が立っていた…
「お…お前ら…はぁ…やっぱイタズラかよ全く…」
「馬鹿か草沼?」
「俺達も出られねーんだよ」
「何だって?」
友也は職員室の窓を開けコンコンとノックするように叩いた…
「全く…どういう仕組みになってんのかねぇ…この『壁』は…?」
「ガラスとしてはかなりの硬さだな…いや…ガラスじゃぁ…」
涼しい風が職員室に入ってきた
「な…」
「驚いたか草沼?風が入ってくるんだぜ?しかもここ…『二階』だしな」
「あ…」
「こんな手の込んだイタズラ俺達に出来ると思ってるか?」
「な…なら一体なんなんだよこれは…漫画やアニメじゃねぇんだぞ!?」
「わかってたら苦労しねぇよ…」
「うっ…そ…そうだ…電話…携帯電話で誰かに!!」

俺はポケットから携帯電話を取り出したが…

『圏外』

「ば…馬鹿な…」
「少しは落ち着け草沼…さて…これでここん学校にいるのが5人となった訳だ…」
「ご…5人?」

クイクイッ矢野が指を差したその先には…
「…」
「げっ…」
俺達4人をいとも簡単に投げ捨てたあの女先輩が腕を組んで黙って外を見ていた…
「さて…他に誰かいないか探しに行くか…」
「探すって…まだ誰かいるのかよ?」
「知らん…」
「それに何だよこの壁は…俺もう訳わかんねぇよ…」
「だから落ち着けよ草沼…大体お前がまだ寝てる間俺達3人どこまで調べたか教えてやろうか?」
「…どっ…どこまでだよ…」
「一階から三階までの窓すべて開けて確認済み…すべてダメ、屋上も行って見たがサク際もダメ…体育館から通じる第2体育館の外通路もダメ…すべて見えない壁が邪魔して外の土を踏めない状態だ…」
「な…」
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