ケータイ小説ストーカー
「どうしよう…」
現在の萌絵が選持ち得る択肢は、以下の3通りだ。
1つ目は、これ迄通りケータイ小説家になる夢を追い掛ける。
2つ目は、達観したフリをして、ランキングやPVは気にしないと虚勢を張り、趣味として書き続ける。又は、細々と続けなから一般の公募を狙う。
そして最後に、書く事を止めて読者に専念する。
というのも、萌絵はケータイ小説を読む事は嫌いではなかったし、書いていない頃には毎日の様に読んでいた。
これ以上、不毛に可能性を追い掛ける事は、精神衛生上良いとは言えない。
それに、今年は高校3年生になる。受験勉強も始めなければならない。
読者になる――
萌絵がそう結論を出す迄に、そんなに時間は必要ではなかった。
才能云々ではなく、上に行こうとする努力を惜しまない人間以外は、余程のチャンスが無い限り、可能性は限りなくゼロに近い。
.