ケータイ小説ストーカー
一方、ツクシは既に駅に到着していた。
背中まで伸びた黒髪、黒いダウンジャケットに黒いスカート。駅構内の改札が見える場所に立ち、花音の到着を待つ。
10時57分――
ツクシの視界に、高校生らしき約束と同じ服装の女の子が写った。
切符を買う素振りを全く見せず、時刻表と駅のホームを交互に見ている。
花音だ――
ツクシは、その女の子が花音であると確信した。試しに、「もう直ぐ到着する」とメールを送信してみる。
その女子高生は手にしていた携帯電話を開き、メールを確認。指先が動く。
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もう着いてるよ、ちゃんと待ってるから。
ツクシの元に、花音からのメールが届く。
間違いない。
あれが花音だ。
ツクシはメールの受信を確認した後、直ぐに自分のメールアドレスを変更し、カメラ機能をオンにする。
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