ケータイ小説ストーカー
花音に気付かれない様にギリギリまで近付き、目一杯アップで横顔を撮影する。
駅の雑踏は騒音と共にシャッター音を掻き消し、花音どころか誰も気付きはしない。
11時10分――
ツクシは花音の横を擦り抜け、改札を抜けてホームに入る。11時12分の電車は、ツクシが帰路に着く為のものだ。
「バイバイ花音」
ツクシは改札を抜けた後、振り返らずにそう呟いた。
その声は、花音に届く事は無い。
電車の中で、ツクシは複数の出会い系サイトにアクセスすると、サブアドレスで登録する。
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今の私、少しエッチな気分なの。誰か相手をしてくれないかなあ…
写メ見て気に入ってくれたら、メールちょうだい。あと、ケータイ小説も書いているから、そっちも読んでね。
ケータイ小説文庫というサイトで、桐島 花音という名前で検索して。じゃあ待ってま~す。メールアドレスは――…
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