ケータイ小説ストーカー

その夜萌絵は、ランキング上位で気になる作品を、明日から読む為に本棚に入れた。

そしてログアウトして寝ようとした時、トップページの中断に掲載されている特集欄に目が止まった。


「卒業特集かあ…」

卒業という言葉は切ない響きで、萌絵の心を揺さぶった。


もう瞼が重くなっていた萌絵だったが、明日にする事が出来ない程気になり、特集ページを開いた。

特集ページの上段には桜の花弁が描かれ、卒業特有の胸が締め付けられる様な言葉が並ぶ。


そして、最初の作品タイトル「もう二度と会えない」…

卒業したらもう二度と会う事が出来ない人に、自分の気持ちを伝えようとする主人公の気持ちを綴ったと――いう紹介文に我慢出来ず、眠い目を無理矢理開いて作品の表紙に向かった。


「桐島 花音…時々レビューやランキングで見掛ける名前だ」


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