ケータイ小説ストーカー
それにしても、レビューが20本以上。感想は、もう一体どれ位あるのか分からない程あるなんて、花音さんは凄い。
しかも、1件1件に丁寧な返事をするなんて、きっと人間的にも素敵な人に違いない。
萌絵は他のレビューや感想を読みながら、それらに対する花音の対応を見て感心した。
と同時に、自分を目立たそうとする言葉を選んでいた事を恥じた。
そうだ――
自分が感じた事を、自分の言葉で書けば良いんだ。そうすれば、花音さんには必ず伝わる。
電車を降りた萌絵は、駅の直ぐ横にある駐輪場に停めてある自転車に乗って帰宅すると、直ぐに自分の部屋に向かった。
そして、床に座ると携帯電話のボタンを押し始めた。
「初めまして、作品読みました。
卒業に向かう主人公の揺れる気持ちがよく表現されていて、とても共感出来ました。
特に、最後の場面で遠ざかる背中を――…
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