ケータイ小説ストーカー
信者
恒例の昼休みチェックをしていた花音も、ホームページに残された萌絵の書き込みを見て、本能的に自分の信者になる人間だという事を感じ取った。
直ぐ感想掲示板に、丁寧に…しかし、少し親しみを込めて返事を書く。
信者は自分の宣伝を、嫌味無く実行してくれる大切な存在だ。
実際、サイトが用意している宣伝BBSは全く役に立たないし、頻繁に利用すると余程読者がいないのだと、逆に敬遠されてしまう。
ランキングサイトも上位は固定化、更新速報も直ぐに流れて意味が無い。
その点信者は、最も目立つレビューをまるで神様が書いた作品かの様に誉め称えて書いてくれるし、誰かが非難しても身を呈して擁護してくれる。
打算――
この時の花音には、確かに純粋にファンに対する感謝の気持ちではなく、打算的な思考が存在した。
それが自分に大きな影を落とす事など、知る由も無かった。
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