ケータイ小説ストーカー
確かに、特集一発屋的な作家もいなくはないが、花音はそこそこ読まれるレベルにはあった。
各作品には200前後の読者はいたし、ファン数も300人を超えていた。
しかし、それは中途半端な数字で、誰もが知っている人気作家には程遠く、現実に新規のファンはここ暫く増えてはいなかった。
それだけに、今回の特集に選ばれたという事は、花音の夢を大きく膨らませるものだった。
花音はフローリングの床に敷いた、ハート型のカーペットの上に胡座をかいて座ると、口元を緩めながら携帯電話の画面を見詰めた。
でも、どうしよう?
今まで自薦文なんて書いた事ない。
余り良い事ばかり書くと反感買いそうだし、だからといって余り控え目に書くと読んで貰えないかも知れないし…
花音は散々悩んだ末、当たり障り無く、しかし読者が食い付きそうなキーワードをふんだんに使って自薦文を書いた。
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