ケータイ小説ストーカー
学習したツクシは、他の読者やファンに溶け込み、以前の様に目立つ行動はしなかった。
栞を見習い、ベタ褒めの感想など残さず、指摘するべき事は的確に書き込んだ。当然、気配りや思いやりを忘れる事無く。
その姿勢は、花音の求める"信頼出来る読者"に合致していた。
「春野ツクシか…この人ちょっと良い感じよね」
花音はそう呟きながら、ツクシが書いた感想を眺めていた。余りに態度が違う為、それが萌絵だとは夢にも思わなかった。
花音は感想ノートやホームページで言葉を交わし、ツクシの対応に信頼を深めていった。
実際、ツクシの対応は真摯で愛情に溢れ、まるでファンの見本の様な感じではあった。
決して花音の油断ではない。そうではないが、事態は思わぬ方向に動き出す――
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