ケータイ小説ストーカー
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直接言えば色々と面倒だし、退会してくれて良かった。後は、もう二度と戻って来ない事を願うだけ。
花音
急激に下がったツクシの体温は、今度は一気に上昇し、全身から蒸気が出そうな程に熱くなった。
ツクシは握り締めていた携帯電話を床に叩き付け、床に座り込むと天井を見上げたままで、声も出せない程に泣いた。
「あんなに尽くしたのに、誰よりも心から応援したのに…それなのに、私の事をこんな風に思っていたなんて――!!」
心の中で叫んでいる内に、ツクシの悲しみの感情が徐々に怒りへと変換されていった。
そして、悲しみと怒りの感情の均衡が崩れた瞬間、ツクシの頭の中でプツリという大きな音が響いた。
「…――そ、そうなんだ。花音は私の事が疎ましかったんだ。
へえ…
私の事が、ずっと嫌いだったんだ。書籍デビューの為に、我慢して利用していたんだ」
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