ケータイ小説ストーカー
スレッドに並ぶ自分の名前に、花音は一瞬目眩がして一度目を閉じた。
話には聞いた事があった。
理由は妬みなのか、無意識に傷付けた誰かが報復しているのかは分からないが、3ちゃんねるで作家叩きが行われる事があるという噂を。
しかし、それが自分の身に起きるとは、予想だにしなかった事だった。
最新から順番に、嘲笑いなが書き込まれた文字を読む。
誹謗中傷…
見に覚えのある事など全く無い。冷静に読める筈などなく、次第に花音の視界は曇り、頬を伝う涙がポタポタと床に落ちる。
まるで罪人扱い。
生きている事を否定されているかの様な文章が、延々と書き連ねられている。
擁護してくれる人が現れても、「本人乙」という言葉で流される。
私はここにいる…
何も知らない。何も書き込んではいない。
画面を開いたままの携帯電話が、花音の手から滑り落ちて床に転がった。
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