ケータイ小説ストーカー

「は…ははは、バカだコイツ!!」

花音からのメールを受信したつくしは、思い切り笑い転げた。

「信用し過ぎだっつうの。ちょっと優しい素振りを見せると、直ぐこれだ。ははは、メアドゲット!!」


人気作家という者は、叩きに対する耐性に乏しい。

常に周囲からは称賛の声しか上がらず、貶される、拒否されるといった経験が無い。その為、極端に叩かれる事に対して免疫が無いのだ。


そこに、タイミング良く優しく手を差し伸べる。

ツクシの思惑は的中した。花音をフォローしつつ限界まで追い詰め、棄てる――


ツクシは、花音からのメールに返信した。



私を信頼してくれて、ありがとう。
私は最後の1人になったとしても、花音さんのファンです。ずっとずっと、花音さんの味方ですから。

「腹が痛い。このメール読んで、泣いてたりするんじゃないの!!」


地獄での救いの手は、更なる地獄への入口だという事を花音はまだ知らない。


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