ケータイ小説ストーカー
ファン
時期を同じくし、1人の作家が失意の底にいた。
登録して半年、読者数は平均10人弱。短編を含め5作品を公開しているが、1万PVを超えた事は無いし、ファンも10人に満たない。
その他大勢の作家である、萌絵だ。
萌絵も最初は書籍化作家を目指し、執筆活動をしていた。
それなりに文章力はある方だと思っていたし、ストーリーもオリジナリティに溢れている自負があった。
しかし――
殆ど注目される事はなく、酷い時には1週間以上PVに変動が無い事もあった。
「もう辞めようかな」
そう何度も思いながらも続けてきたのは、「いつか自分にもチャンスがくるかも知れない」という微かな希望を捨て切れなかった事。それに、僅かばかりでもファンになってくれた人がいたからだ。
だけど、その"いつか"が訪れる気配は無く、埋もれていくばかりだった。
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