ケータイ小説ストーカー
花音には才能がある。例えアイデアを流行りの少女マンガを盗用してたとしても、構成力と文章力が無ければ誰も読まない。
人を惹き付ける何かが、花音の文章にはある。
突出した才能無ければ、どんなに流行りのキーワードを入れようが、俺様だのヤンキーだのを主人公にした所で、逆に埋もれてしまうだけだ。
この事を、ツクシは十分に理解していた。
もし花音が別名で他のサイトに登録して小説を書き初めても、必ず脚光を浴びる。
そうさせてはならない。その前に、ケータイ小説文庫で潰しておかなければならない。
栞に悪意は無かった。花音を思い、堂々と正論を吐いた。
しかし、正義が常に正しい訳ではないし、その行動が解決策になるとは限らない。
現状で花音が選択すべき正解は、「桐島 花音という名前を捨て、他のサイトに移転する」だったのである。
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