天使の羽が降る夜に
恋をしました
未紅
ヤバイ。
ヤバイ。
・・・実は私の失態は大天様にバレていた。
『未紅。私が天使になってからこんな失態は初めてだぞ!人間に天使のことがばれるなど!!』
「す、すみません。大天使様」
『その、沢田 舜と言うものは、私たちの存在をバラさないと信じてもいいのか?・・・いや、人間を信じることはできぬ。・・・未紅、見張れ。彼が他の人にバラさぬように見張るのだ。いいな』
「は、はい。かしこまりました」
・・・と、言うわけで、毎日仕事をお休みして舜の見張りをしてるのです。
舜を信じていないわけじゃないけど・・・大天使様の命令は絶対だからなー。
1日見てると本当に舜はかっこいい。・・・もうはまってる・・・。
こんなことが大天使様にばれたら・・・即消されてしまうかも・・・・。
「おい、未紅。・・・なにしてる?」
へ?なんで?
「見えてるぞ」
「え!?うそ!?」
舜を見るとニヤリと笑った。
「引っかかった!」
!!
また?・・・うそ?
「ちょ、ちょっと、またですか・・・」
「なんとなくいる感じがしたから、呼んでみた」
こ、こわいわ・・・沢田 舜。
「ところで何してるの?今仕事している時間だろ?」
「え・・・・いえ、あの・・・・」
動揺する私を見て
「ははーん。大天使にばれたろ?」
と・・・・・大当たり!
「え!?」
「で、俺を見張れってところか?」
「あああああ!もう!!なんでそんな事分かるのよ」
「あ。当り?ちょっとカマかけてみたんだけど」
「ええええ?」
何なのこの人~。
やっぱり特別な人なのかな~。
「一日見張ってんの?」
「う、うん一応・・・」
「プライバシーの侵害だな・・・。」
ごもっとも。
「ご、ごめん。でも命令だから・・・」
私から目を逸らすと、
「はぁ」
と、頭をかくる掻きながらため息を吐く。
その仕草とため息に胸が痛む。
私は一緒にいられて嬉しいけど、彼には迷惑でしかないことを突き付けられた気がした。