天使の羽が降る夜に


2人とも体力の限界の中、気力だけで耐えていた。

「もうすぐ・・・なのに・・・」

もう・・・ムリかと思った瞬間。

未紅と俺のピアスが光りだす。

『俺との約束・・・』

舜の声が聞こえたかと思ったら

耳からピアスが外れて・・・・俺たちの目の前に・・・。




そして

二つのピアスが重なり-------

光が溢れだす。



その光に包まれ俺たちは出口にたどり着いた。

『守ってくれて‥‥ありがとう』

パリン。

その言葉を残し、ピアスは砕け散った。


そして俺は意識を失う。









ん?

んん?

そっと目を開けるとそこには

「未紅」

心配そうな顔をした未紅がいた。


「聖夜・・・よかった」

「未紅・・・ごめんな」

「ううん。聖夜が無事でよかった」

「ここは?」

「神様のところです。門番の拓さんにお願いして貸してもらってんです。魂は拓さんが神様のところへ」

「そうか」

ふぅ‥‥と安心して息を漏らす。

そう言えば、

「・・・・ピアス・・・」

俺は自分の耳を触ると同時に未紅の耳をみる。

「砕けたのは・・・夢じゃないのか?」

「・・・はい。・・・・最後の最後で、また舜に助けてもらいました・・・ね」

「そうだな・・・」

情けないな。

俺なりに守ってきたつもりが、最後は守られたか。

あいつの想いに‥‥。



結局舜には勝てなのか・・・。








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