天使の羽が降る夜に


「ごめんな・・・未紅」

「聖夜?」

「こんな・・・情けない男で・・・」

「そんなこと、ないですよ?」

未紅は優しく微笑む。

ほんと情けない男だよ。


「私は嬉しかったですよ」

「は?」

嬉しい?

情けない俺が?

「聖夜」

「うん?」

「私が舜の話をしたり、宙君を見に行ったりするとイライラしたんでしょう?」

「あ、ああ」

そうだけど

「亮介さんと私が楽しく話をするとムカムカしたんでしょう?」

「・・・ああ」

そうだけど・・・・。

未紅はニヤニヤしている。

「なんだよ?」

「それが嬉しいんです」

「は?なんで?」

「だって・・・聖夜は舜や亮介さんに・・・ヤキモチをやいてたんですもの」

え!?

なんだと?

やき・・・・もち?

やきもち?

「ヤキモチ~~~~~~~~~~~!?!?!?!?!?」

俺の声は神のところや大天使様のところまで届いたに違いない。




ヤキモチって・・・以前俺が馬鹿にしてた、あれか?

「おい、聖夜」

「なんだよ」

「未紅チャンいるくせに他の天使チャンと遊ぶなよ」

「は?なんで?」

「やきやきしてるのわかんねぇ?」

「・・・そんなの分かるわけねーだろ?いちいち付き合ってられるかよ」

って言ってたあれか。

・・・俺って本当最低な奴だったんだな。

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