天使の羽が降る夜に


「未紅」

「はい」

ここで言ってもいいのか?

「俺は未紅が好きだ。これは本当なんだ」

温かい美紅の手を強く握り返した。

「・・・はい」

でも、ここで言いたい。


「昔、行えなかった儀式を・・・行いたい」


「そ、それって・・・」

「俺と夫婦になって欲しい」

未紅の顔が驚いたかと思ったら・・・涙が溢れ出す。

「私で・・・私で・・・いいの?」

俺はそっと未紅を抱きしめた。

「未紅じゃなきゃダメだ。・・・ごめん。凄く遠回りしたな」

「ううん・・・ありがとう・・・聖夜」

「幸せにするから。ずっと守っていくから」

「うん、うん私も・・・今度こそ離れないから・・・」

「ああ」

気持ちがあるって大変なことも多いけど、幸せな気持ちになるんだな。

未紅をそっと話して唇を重ねた。

うっ・・・ヤバイ・・凄くドキドキする。

俺、消滅しそう。

でも、相手を好きすぎて消滅するって聞いたことないから・・・大丈夫か?


未紅の顔をみると今まで見たことのない顔で微笑んでいた。

やっと・・・やっとこの笑顔を見ることができた。



舜。

最後まですまない。

今度こそ、大丈夫。

ありがとう。






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