天使の羽が降る夜に


「なんだよ、暗い顔して」

「・・・いえ、看護師さんの話とか聞いてると・・舜はモテるんだなって」

「ははっ。まあね」

・・・やはり確信犯だったか。

「でも、好きな子には好きになってもらえないんだよな・・・」

え、そうなんだ・・・意外だぁ。

胸がズキズキするけど、気にしない。気にしない。

「お前今意外だね・・・とか思っただろ?」

「え?」

「顔に出てるよ」

あきれたように笑う舜。

本当にかっこいいんだよね~。




その時

コンコン。

部屋をノックする音。

「おい、姿隠して」

舜が小さく呟く。

私は慌てて姿を隠した。

「はい」

私が見えなくなったのを確認して返事をする。

「おう、気分はどうだ?」

「兄貴・・・まあまあだな」

「そうか」

入ってきたのは舜のお兄さんだった。

うへぇ。・・・看護師さんたちが騒ぐのも分かるわ・・・イケメンだぁ。

「今日はどうしたんだよ?」

「ああ、時間が出来たから顔を見にきた」

「あんまり来るなよ」

「は?なんで?」

「俺の人気が下がる」

「なんだそりゃ・・・」

「モテるんだよ、沢田兄弟は!」

「・・・わけわかんね。・・・俺は純 一筋だし」

「そういや、純ちゃん元気?・・・最近来てくれないんだよね」

「あ~、何か忙しいらしくて・・・舜に会ってない~って嘆いてた」

「ははっ。頑張ってるんだ?」

「おう、すげぇしごかれてるらしいぞ」

「そうか」

・・・どうやら純ちゃんという人はお兄さんの彼女らしい。



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