天使の羽が降る夜に
舜とお兄さんが話をしていると、
コンコン
部屋をノックする音。
今日は人が来る日だなぁ。
「はい」
舜君が返事をすると
「舜君元気~?・・・・あ!暁!!」
小さくて可愛らしい女の人が入ってきた。
「純」
「久しぶり~、舜君」
「今、ちょうど純ちゃんの話をしていたところだったんだよ」
「え?そうなの?」
「なかなか来られないって嘆いてたって」
「そうなんだよ~。先輩方が厳しくてさぁ・・・覚えることも沢山あってさぁ」
そう言いながら舜のベッドの脇にきて椅子に座る。
「・・・調子はどう?」
「うん、まあまあかな」
「そっか・・・」
「兄貴と待ち合わせに俺のところ使った?」
ニヤリと笑う舜。
「いえいえ、全然・・・暁が来るなんて聞いてないし・・・しかも凄く久しぶりに会った」
「え!?まじで?」
「そうだよ~。忙しすぎて会えないの~」
「そうなの?兄貴」
「・・・ああ、まあ、覚悟はしてたんだけど・・・ここまで会えなくなるとは思わなかった・・・」
暁は腕を組んで天井を見てため息を漏らす。
「・・・兄貴がダメなら俺のところに来てね」
それを見た舜がからかうように言った。
「おい、こらっ、純を口説くな」
慌てる暁。
「・・・わかったぁ。そうする~」
横目で暁を見ながら舜に便乗する純。
「おい、こらっ、純もその気になるんじゃねぇ」
「え~、だって暁全然会ってくれないんだも~ん」
「ああ~、分かった。会うように努力するから・・・」
「わぁ~い!やったぁ」
「・・・・兄貴・・・甘いな・・・。」
「うるせー」
姿を隠しながら見ていた実紅は、兄弟っていいなーと思っていた。