天使の羽が降る夜に
伝えてもいいの?
未紅
舜のお兄さんと純さんが来て、舜の好きな人が分かって、自分の気持ちにも気が付いて心が痛かった。
舜に気持ちを伝えて欲しかった。
魂を取りに来た自分が言うのも変だけど・・・生きているときに気持ちを伝えて欲しかったの。
でもそれが舜には、おせっかいになってしまったみたい。
・・・怒らせちゃった・・・。
言い過ぎたって思ったとき
「もう寝るから消えて」
舜が怒っているのが分かった。
・・・・嫌われちゃったかな。
そう思ったら、涙が止まらなくなってて・・・。
舜ごめん。
ごめんね。って誤っていたら
「未紅、いるか?」
突然名前を呼ばれて、どうしようか迷ったけど・・・ここでいかないと・・・・もう、会えないような気がしたから姿を見せた。
「何、泣いてるの?」
・・・だって、嫌われちゃったと思ってぇ。
「気にすんな。怒ってねーから」
と反対に慰められて・・・・本当に未熟者。
魂をとりに来た人間に怒られたり、からかわれたり、慰められたり・・・。
・・・・これじゃあ、ダメよ!
と思って、次の日から頑張ってみようと思うんだけど、結局からかわれて終わる・・・。
でも、最近舜の様子がちょっとおかしいの・・・。
「なぁ、未紅・・・」
「はい?」
「・・・いや、なんでもねぇ」
いったいどうしたの?
名前を呼んでは少し考えて・・・決まって最後になんでもないって言う・・・。
一日に何回も同じことがあるんだ。
笑った顔や態度はいつもと変わらないんだけど・・・。
なんなんだろう。
そんなやり取りが続いていたら
コンコン
部屋をノックする音。
舜が私に目で合図をする。
私はそれを確認してから姿を隠す。
「どうぞ」
「こんにちは」
「おっ!洸ちゃん」
「こんにちにちにち」
「でた!さと君」
男の人2人が入ってきた。
その時・・・・ん?・・・!!
私は慌てて舜に耳打ちをした。
「舜、大天使様に呼ばれたから、少しここを離れます」
舜はコクッと小さく頷く。
それを確認した私は大天使様の元へ急いだ。