天使の羽が降る夜に
舜
それから数日がたち、この気持ちを言っても良いのか迷う・・・。
未紅は他に好きな奴がいる。
魂を持っていく人間に好きだと言われても迷惑だろう・・・。
ここにいるのも大天使の命令だからだし・・・。
「未紅」
呼んではみるが・・・いや、言えねぇ。
ダメだろ?
「なんでもない」
俺の言葉に不思議そうな顔をしている。
そりゃ、一日に何度もそんな事されてれば、不思議に思って当然だ。
そんなとき
「こんにちは」
洸ちゃん!
「こんにちにちにち」
さと君!
兄貴の幼馴染の2人がお見舞いに来てくれた。
未紅は大天使に呼ばれたとかでいなくなった。
「おお、元気そうじゃん」
「うん」
いつも入院すると2人で来てくれる。
「洸ちゃんもさと君も元気そう」
「おう」
2人とも椅子に腰をかける。
「そういえば、洸ちゃん大変だったんだしょ?」
「あ?なにが?」
「兄貴が言ってたよ。今の彼女を嫁にしねぇと会社つがねぇって駄々こねたって」
「ブッ!・・・暁の奴め・・・」
「そうなんだよん。洸は香奈ちんが大好きなんだよ」
「恥ずかしくなること言ってるんじゃねーよ、聡!」
「さ、さと君も弁護士なんでしょ?」
「そうだよん」
本当に大丈夫なの?こんな弁護士・・・・。
「まぁ、舜も思っての通り・・・こいつは弁護士のべの字もないやつだが、結構がんばってるよ」
「へぇ、そうなんだ」
何を頑張ってるんだろう・・・。
「頑張ってるって・・・そうだよん・・とか法廷で言ってないよね?」
「うん。今のところは我慢できてるよん」
え?我慢してるの?
「でも、そろそろ危ないんだよん」
「・・・・俺、絶対さと君に弁護頼まないよ・・・。」
「え~!これでも優秀なんだよん?」
自慢げに言ってるけど
「そ、そうなの?・・・・洸ちゃん・・・」
ここは洸ちゃんに聞くのが正しい。
「・・・・自己評価だ」
・・・やっぱり。
・・・話題を変えよう。
「洸ちゃんは仕事うまくいってる?」
「おう、専務になった」