天使の羽が降る夜に
「みーんな知ってるよん」
まじですか・・・。
「純ちゃんは・・・好きっていうか憧れかな」
「うん」
「今、気になってる子がいてさ」
洸ちゃんに聞いてみようか・・・・さと君もいるけど・・・。
「ほほう」
「でも、俺、こんな体だし・・・言っても相手を困らせちゃうだけかもしれないって思ったら・・・言い出せなくて」
「・・・舜はさ、相手のこと考えすぎなんだよ」
「え?」
「好きって気持ちをさ伝えるのはいいことだと思うぜ?・・・その気持ちにどう答えるのかは相手が考えることであって、舜が考えることではないよ。・・・結果うまくいけば嬉しいだろうし、振られても相手を責めたりすんな?」
そうか、伝えるだけならいいのか。
「うん」
「・・・舜は今までいろんな事を諦めてきただろ?」
「・・・・うん、出来ることが少なかったからね・・・」
「自分から気持ちを伝えるって、出来ることだろう?出来ることはやってみた方がいいと思うよ。・・・後は結果を受け入れる覚悟だな」
結果を受け入れる覚悟・・・か。
「告白して振られるって結構きついよん」
「え?さと君振られたことあるの?」
「あるよん。沢山。・・・でも伝えられて良かったって思ってるし、それがあったから今の自分がいて今の彼女がいるんだと思ってるし。・・・舜は告白初めてだろ?」
「うん」
「怖いかもしれないけど、言ってみろよ。言えないでもやもやしてるより、きっとすっきりするよ」
さと君・・・・初めてまともな事聞いたかも・・・。
「うん。ありがとう。・・・・やってみる」
「「うん」」
2人とも優しく微笑んでくれた。
兄貴が3人もいるみたいで頼りになるな。
それからお土産に買ってきてくれた俺の好きなシュークリームを3人で食べて、2人は帰っていった。
俺は未紅が帰ってくるまで少し眠った。