天使の羽が降る夜に


「舜君のお友達?それとも彼女?」

ニヤニヤしながら聞く純ちゃん。

いい機会だから言っておこうか。

「俺の好きな子」

どんな反応するかと思ったら・・・・泣いてる・・・。

「ちょ、純ちゃん?」

あせる俺に

「ごめん。泣いたりして・・・嬉しかったから・・・」

笑ってみせる。

「ありがとね。・・・俺さ、人を好きになるなんて思ってなくて・・・こんな体だし。でも、好きになるっていいことだね」

「うん、うん」

「まだ、気持ち伝えてないんだけど・・・振られてもそれはそれでいいんだって・・・・洸ちゃんとさと君が教えてくれたから、俺言ってみようかと思ってさ」

「・・・うん」

「気が付いてると思うけど、俺、純ちゃんのこと‥‥好きだった」

告白しちゃったよ・・・。

「でも、今回の気持ちとは違うことに気が付いたんだ」

「うん」

「頑張ってみるね」

「・・・・ありがとう、舜君」

「え?」

「好きになってくれて、ありがとう」

「うん」

俺、純ちゃんのこう言うところが凄く好きだった。

「兄貴と幸せになってね」

真っ赤になる純ちゃん。

・・・やっぱり可愛いよな~。


・・・未紅が見ている気がする・・・。

「あ、私行くね。また来るから・・・その時どうなったか教えて?」

「うん・・・あ、兄貴には言わないでよね?」

「分かった!舜君と私の秘密~」

いえ、洸ちゃんとさと君も知ってますよ?

純ちゃん人の話ちゃんと聞こうね・・・・。

「じゃあね~」

すごくいい笑顔で帰っていった純ちゃん。

・・・・絶対兄貴に言うな・・・・。


純ちゃんがいなくなると未紅が姿を現す。

出て来いって言ってないのに・・・・・しかも泣いてるし・・・。


< 30 / 106 >

この作品をシェア

pagetop