天使の羽が降る夜に
夜間デート

未紅



「・・・・ねぇ、舜」

「ああ?」

「お願いがあるんだけど・・・」

「お願い?」

私は舜にある提案をしてみる。

「デートしたい・・・」

「はぁ?・・・デート?」

「うん」

「デートって言っても・・・・俺外出できねぇーよ?」

「うん」

「しかもお前天使じゃねーかよ」

・・・そうなんだけど・・・。

「あのね、ちょっと調べたら・・・出来る方法がひとつだけ見つかったの」

「ん?どんなの?」

「舜が眠った後、魂をちょっと借りるんだけど・・・・」

あきれた顔で私をみる。

「幽体離脱ってこと?」

「う、うん・・・」

「それ・・・へたすりゃ、俺そのまま死ぬんじゃねぇ?」

や、やっぱりそこ気になるよね。

「そ、そんなことしないよ!・・・時間は2時間だから大丈夫なんだけど」

「けど?」

「朝起きたとき、舜がすごく体が重いと感じると思う」

「・・・そりゃそーだろ」

「え?」

「肉体と魂が離れて何にもねーわけねーだろうが!」

うわぁ~。お、怒った・・・。

「う・・・ご、ごめん」

そのまま舜は黙り込んでしまう・・・。

「あ、あの、ごめん忘れ「いいよ」

「え?」

「いいよ。そのデート付き合ってやるよ」

「ほ、本当?」

いいの?いいの?

「ああ・・その代わり本当に俺のこと殺すなよな」

「うん、うん!・・ありがとう!」

私は嬉しくて思わず舜に抱きついていた。

「大袈裟」

舜は笑ってるけど、大袈裟じゃないんだよ。

本当に嬉しいんだからっ。

「‥‥おい」

しばらく抱き着いていたら舜が

「いい加減はなれろ」

冷たい一言。

「やだ」

放れない~。




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