天使の羽が降る夜に
でも、
「・・・なんでもいいから・・離れろって・・」
声が怖かったから
「・・・分かった」
しぶしぶ離れた。
何で抱きしめちゃだめかな・・・我侭言ったからかな・・・。
へこんでいたら、
「あ~、もう!」
「へ?」
逆に抱きしめられた。
「未紅さあ・・・無防備すぎるんだって・・・」
「え?」
「前にも言ったけど・・・俺も男なんだよ」
「・・・うん・・・」
舜・・・何が言いたい‥‥あっ。
「はぁ」
ため息を漏らす。
「いくら俺が病人だからって、欲はあるわけなんだよ」
うわぁ~・・・分かった舜の言いたいこと・・・。
「分かったか?」
「う、うん」
恥ずかしい・・・。
「好きな子目の前にして、抱きしめられたら理性が飛ぶの!」
「うん・・・」
好きな子って言ってくれたぁ。
う~れし~い!
「だから、ばかだって言うの!」
そう言ってぎゅーっと抱きしめられる。
「く、苦しい・・・」
「あはは、お返し」
「ひどい~、離して~」
ふっと抱きしめられてた腕がゆるんで
「ばか未紅・・・」
舜の切なそうな声が聞こえた。
「うん・・・ごめん」
それからしばらく抱きしめられてて・・・。
舜が好き。
いつの間にか心は舜でいっぱいで、幸せな時間だった。