天使の羽が降る夜に
夜中1時。
舜が眠ったのを確認して、私は舜の魂を少し借りる。
『うおっすげぇ・・・俺が寝てる』
舜は自分の姿をまじまじと見つめている。
『やっぱ、俺イケメンだな』
「・・・・・・」
自分で言うか?
『未紅・・・あきれんな』
「・・・い、行こうか・・・」
『おう』
「時間は2時間だから・・・どこでも好きなところに行けるよ」
『じゃあ、その辺ぶらぶらするか』
「うん」
『ほらっ』
ん?
舜が手を差し出す。
『繋がねぇの?』
!
「つ、つなぐ!!」
『あはは、ん』
舜と手を繋いで病院の外に出る。
『じゃあ、ゆっくり回るか』
「うん」
すごい嬉しい。
「デートみたい」
『は?デートだろ?』
「あ、そうだった」
『ははっ・・』
「すごく嬉しい!」
『俺も』
「え?」
『こんな風にデートできるなんて思ってなかったから、すげぇ嬉しいよ。ありがとな未紅』
「ううん・・・だってすごい負担掛かっちゃうのに・・・デートしてくれてありがと」
『おう』
舜と病院の近くをくるくる回って・・・初めて感じた優しい時間だった。
30分くらいふわふわ飛んで、2人で堤防にいた。
『晴れてて良かったな』
ふわふわ飛んでると落ち着かないと舜が言うから、堤防に座る事にした。