天使の羽が降る夜に


私は泣きながら大天使様の元へ向かう。

舜を助けたい・・・・そう思うことがなぜいけないの・・・。

私より舜が生きることの方が意味があるって思ったから・・・・。


「大天使様!」

『未紅か』

「あの・・・お願いがございます」

『なんだ』

「私の命を舜に『それは、ならん』

「ですが・・・」

『未紅・・・人間に入れ込みすぎてはならんと言った筈だ』

「そ、そうですが・・・」

わかってた。わかってたけど‥‥。

『天使の掟を破ってはならん』

「・・・調べてみたら・・・出来ないことはないと・・・」

『ならん!!』

「大天使様!」

『・・話はそれだけか・・・ならば去れ・・』

大天使様・・・なぜ?

なぜそこだけ・・頑なに拒むの・・・。

なぜ私の考えは誰にも受け入れてもらえないの・・・・。

大天使様に否定をされ、舜のところに戻ろうとしたとき、

「未紅」

誰かに呼び止められ、振り向くと

「聖夜さん・・・」

そこには少し怖い顔をした聖夜さんが立っていた。

「・・・ちょっとこっちに来なさい」

私の腕をつかむと神へのルートへ連れて行く。

入り口に立ち、話をする。

「未紅・・・お前は以前のことはすべて忘れてしまっているのか?」

「以前のこと?」

なんのことだろう。

不思議そうな私の顔をみてため息を漏らし、私の額に聖夜さんの手をかざす。

「お前が昔何をしたか・・・思い出すといい・・・」

私の頭の中にある風景が広がってくる・・・。


そこには沢山の天使たち・・・真ん中にいるのは・・・・・私・・・?

「未紅」

「あ、聖夜」

・・・聖夜さん?











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