天使の羽が降る夜に
『わかった・・・舜の気持ちが分かるようになるかどうかは分からないが・・・未紅を守っていくことは・・・約束しよう』
「ありがとう。・・・話はそれだけだ」
『そうか。・・・後は何か願いはないのか?』
「願い?・・・今のところは・・・」
『分かった・・・では・・・』
聖夜が消えると目が覚める。
手に持っていたはずのピアスもなくなっている・・・持って行ってくれたんだな。
『何か願はないのか』
聖夜の言葉が耳からはなれない。
‥‥願い‥‥か。
本当は俺にお前の命をくれって言いたかった。
お前が美紅を愛せないなら、守れないなら‥‥俺は人間なんてやめたっていい。
美紅と同じ天使になりたい。
だけど、その願いは間違っているような気がしたんだ。
なぜかはわからないけど‥‥なにか違うような気がして。
きっとそうだ。
これでいいんだ。
これで‥‥聖夜・・・未紅をよろしくお願いします。
俺の命は残り1日になっていた。