天使の羽が降る夜に
舜の気持ちは無駄にはできない。
舜にすべてを見せてきた結果が今の要求だとしたら、俺は舜の言葉を受け入れるしかない。
『わかった・・・舜の気持ちが分かるようになるかどうかは分からないが・・・未紅を守っていくことは・・・約束しよう』
「ありがとう。・・・話はそれだけだ」
その話をする為に俺を呼んだって言うのか・・・。
本当に欲のない男だな・・・それとも何か裏があるのか・・・。
『そうか。・・・後は何か願いはないのか?』
「願い?・・・今のところは・・・」
・・ないのか・・・。
俺は舜からピアスを受け取り自分の場所へ戻る。
いったい何だって言うんだ・・・。
あの男は未紅をお願いするために・・・・そこまで未紅に惚れた理由はなんだ?
・・・俺には理解できない。
それとも未紅と舜のやり取りをみれば何かわかるのだろうか・・・。
昔未紅がいなくなり寂しさは多少あったが、普通に過ごしていた。
舜がなくなったとき・・・未紅から笑顔は本当に消えてしまうのだろうか・・・。
とにかくもう舜には時間がない。
・・・俺に未紅が守れるのだろうか・・・・。