天使の羽が降る夜に


『こ、これが・・・』

舜の体から出てきたのは・・・本当に温かくて透き通った綺麗な魂。

「すごい・・・」

はじめてみるこんな綺麗な魂・・・。

『・・・未紅が好きになるわけだな・・・』

聖夜さんがつぶやいた。

そして私に透明の魂を入れるケースを渡した。

私はそっと舜の魂をケースにいれ、最後に舜の頬にキスを落とし大天使様の元へ向かった。

舜の願いを叶えるために・・・・。




「大天使様・・・舜の魂です・・・」

『ほぉ・・・綺麗な魂だな・・未紅』

もう、涙は止まっていた。

私は舜の願を叶える。

その気持ちだけで動いていた。

『・・・それでだな・・・お前はしてはならぬ失態をしてきた・・』

「はい・・・覚悟は出来ております」

どんな罰でも受け止める・・・舜の願いを叶えるためなら。

『その魂から願い事をされたな?』

「はい」

『普段なら・・聖夜が運ぶところなのだが・・・未紅、今回はお前がその魂を神のルートを使い運ぶのだ』

神のルートを私が?

「わ、私がでございますか?」

『・・・そうだ』

そこで聖夜さんが口を挟む

『お、お言葉ですが大天使様・・・未紅では・・・ムリかと・・・神へのルートは長く険しいものです・・・訓練をしている私たちでさえ・・・油断すれば消滅するところです。・・・そんなところに未紅を行かせるのは・・・・』

神へのルート・・・・聖夜さんが言うように、長く険しいトンネルの中を運ばなければならない・・・私が消滅すれば・・・舜の魂は・・・永遠にさまようことになる・・・。

『・・・それが出来なければ・・・願いを叶えてやることはできない』

大天使様が険しい顔をして私に告げる。

覚悟を決めなきゃ・・・・舜の願いを叶えられるのは私だけなのだから。

「・・・分かりました。・・・行きます!」

『未紅!』

聖夜さんが慌てたように叫ぶ。

『では・・・準備が出来次第ルートへの入り口にきなさい』

「・・・はい」






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