天使の羽が降る夜に
神へのルート‥‥か。
私は考え事をしながらルートがある門へ向かっていた。
舜、あなたの願いは必ず叶えるから。
あなたが私を大切に思っていてくれる気持ち、無駄にはしないから。
舜の魂の入った箱をギュッと抱きしめる。
門の前へ来ると、私は一度深く深呼吸をした。
「あ、聖夜さん」
門の前では聖夜さんが心配そうな顔で私を待っていた。
『未紅・・・その姿では・・・ムリだから・・・これを着なさい』
準備を手伝ってくれる聖夜さん。
「ありがとうございます」
私は聖夜さんから受け取ったマントを被る。
『多少のものは避けられるだろうが・・・・このマントもどこまでもつか分からない』
「はい」
私にとっては未知の世界。
『未紅・・・本当に行くのか?』
心配そうに私を見る聖夜さん。
「行きます!・・・舜が私に託した願いだから・・・」
この願だけは‥‥必ず叶える。
『・・・そうか』
聖夜さんはため息を吐いた後
『魂はこの袋に入れて、首から提げていくといい。何かあってもどこかへ行くことはなくなるから・・・』
「ありがとうございます」
私は聖夜さんに笑顔でお礼を言うと、魂をそっと袋に入れて首に提げる。
そして、ゆっくりと羽を広げた。
『未・・・紅・・・』
私の羽を見て驚いた顔をする聖夜さん。
なんだろ?
「では、行ってまいります!」
ビックリ顔の聖夜さんに挨拶をして私は神へのルートへ入っていった。