天使の羽が降る夜に


「せ、聖夜さん・・・?」

そこには聖夜さんの姿があった。

「その体で・・・よくこんなところまで・・・」

そう言いながら自分のマントの半分を私にかけてくれる。

「・・・そんな事をしたら・・聖夜さんが・・・」

心配する私ににっこり笑って

「心配ない・・俺は訓練してるから・・・その・・光は?」

「分からないの・・・舜の魂からいきなりあふれ出して・・・」

「そうか・・・舜が守ってくれたんだな・・」

「・・・・うん」

「まったく最後までカッコイイよな・・舜って男は・・・」

「そだね・・・」

2人でふふっと笑って・・・

「もう少しだ未紅・・・頑張れるか?」

「うん」

「よし!行こう!」

私をつかんでる肩にぐっと力を入れる。

「俺の体にしがみついてろ」

聖夜さんはそういうとゆっくりと飛び始めた。

舜の光は・・・・消えていた・・・・・。


「うわっ」

驚くような速さで私を連れて行く。

・・・すごい・・さすがエースだけある・・・。

神のルートに運ぶ天使たちにも順位があって、聖夜さんはその中でもトップクラスに入る。

スピードや魂の取り扱いなどの試験を受けて合格する門番の仕事。

試験の最中消滅してしまう天使は数知れず・・・その中でもずっとトップクラスを維持しているのには、本人しか分からない努力があるからだ。

「見えてきた」

聖夜さんの声で目を閉じていた私は少し目を開ける。

目の前にかすかな光が見える。

「あと少し・・・」


私は聖夜さんに守られながら・・・神の入り口にたどり着いた。

「・・・・はぁ、はぁ・・・」

「大丈夫か?未紅」

「う、うん」

体が・・・重い・・・。



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