天使の羽が降る夜に
でも・・・早く・・・早く届けなくちゃ・・・。
「未紅・・・こっちだ・・・立てるか?」
「う、うん」
着いたと同時に脱力感に襲われ座り込む私を心配して手を差し伸べてくれる。
重い体を引きずるように私は神のいるところへ向かう。
「聖夜だ」
門のところにいる天使に話かけると・・・
「大天使より話は聞いている・・・ついてこい」
そう言って奥のほうに案内してくれた。
そこには・・・・
「これが・・・神?」
神々しい光をまとった・・・女とも男とも言えない・・人とも天使とも言えない・・・不思議な感覚の方がいた。
『そのものが・・未紅・・ですか?』
「はい」
私の代わりに聖夜さんが答えてくれる。
『大天使より話は聞いています・・・魂をこちらへ』
「分かりました」
私は動くことがもう出来ない。
聖夜さんが袋から魂を取り出し神へ渡す。
『ほう・・・これは・・綺麗な魂ですね・・・心の純粋な人だったのでしょう』
舜・・・・。
『未紅・・よくここまで運んできましたね。あなたの勇気と優しさ強さ・・・その気持ちに答える事にしましょう』
え・・・それって・・・。
私は聖夜さんを見る。
聖夜さんは優しく笑って・・・コクッと頷いた。
「は、はい!ありがとう・・・・ござい・・・ま・・・」
あれ?・・・神様が・・・ぼやける・・・・。
「未紅!」
私はお礼を言い終わる前に意識をなくした。