天使の羽が降る夜に
「・・・そんな事をしたら・・聖夜さんが・・・」
こんな状態で俺の心配か・・・。
それより・・・
「心配ない・・俺は訓練してるから・・・その・・光は?」
「分からないの・・・舜の魂からいきなりあふれ出して・・・」
舜か・・・。
「そうか・・・舜が守ってくれたんだな・・」
「・・・・うん」
「まったく最後までカッコイイよな・・舜って男は・・・」
かなわねーよな。まったく・・・。
「そだね・・・」
未紅を見るとふふっと笑っていた。
良かった・・・でも早くしないと未紅がもたないかもしれない。
「もう少しだ未紅・・・頑張れるか?」
「うん!」
俺が来たことで安心したのか‥‥いや舜の力のおかげだな、返事が力強かった。
「よし!行こう!」
未紅をつかむ肩にぐっと力を入れる。
「俺の体にしがみついてろ」
そう言った瞬間・・・光が消え
『未紅を・・・お願いします』
舜の声がきこえた気がした。
これが「愛」なのか?
魂になっても‥‥相手のことを思う気持ち。
その力は目には見えないが・・・本当に大きいものなんだな・・・。
姿が見えなくても、支えてやれる。
ホント、高いハードル置いていきやがって。
ちょっとぼやいた後、俺は最初はゆっくり・・・そして徐々にスピードをあげた。
「見えてきた」
未紅の体は限界に近い・・・急がなければ・・・。
ルートの出口に着くと安心したのか座り込んでしまった。
「立てるか?」
俺が手を差し伸べると・・・ニコッっと笑って
「うん」
と、頷いた。
・・・可愛いかもな・・・・・・ハッ!・・・俺、今・・・なんて思った?
可愛い?・・・なんで?なんでそう思った?
可愛いって・・・・・なんだあああああああ
1人パニックに陥る・・・・。