天使の羽が降る夜に

未紅



舜に半ば脅された形で始めた会話。

3日目にもなると少しずつ慣れてくる。

敬語もあまり使わなくなってきた。

「未紅はさ、この失敗以外に何かしてるだろ?」

うっ・・・痛いところを突かれた。

・・・だって、ドジなんだもん。

「えー、魂入れる箱を忘れてきて、魂を追い掛け回したこととか・・・頑固な魂はなかなか入れ物に入ってくれなかったりとか・・・?」

「ぷっ、どんくせー」

「ええ?そ、そんな事ないよ」

「は?今この状態になってることは・・・どんくさくないのでしょうかね?」

「ぎゃー。それは言わないでよ・・・大体舜が知り合いに言うっていうから・・・」

「・・・でも、俺が誰に言うと思ったの?」

「え?」

「だって、天使の知り合い?いるわけねーじゃん」

な、なんですとー!!

「あ!・・・騙したの!?」

「は!?騙したとか人聞き悪いな・・・引っ掛けたの」

「ど、どっちにしても一緒でしょー?」

「え・・・じゃあ、もう明日から来ないの?」

舜の顔が暗くなる。

「来るよ。なんで?」

「いや、来る理由がないから・・・」

「約束だしね。ちゃんと来ます」

だって、楽しいんだもん。

「未紅はいいやつだね」

「え?」

「さすが天使だよ」

褒めないでよ・・・恥ずかしい。

「あれ?恥ずかしかった?」

「・・・もう!すぐからかうんだから!」

「ははっ。だってすげぇ素直だから・・・」

「・・・それしか取り柄がないんです」

口を尖らせる。

「いいんじゃないの?へそ曲がりの天使なんて俺嫌だぜ?」

「あ、そう?」

「ぷっ・・・単純・・・」

「もぉおおぉお!」

そういいながら笑う舜は本当にかっこいい・・・・・いや、いやいや、何?なに?

今かっこいいとか・・・思った!?

ヤバイわ。

ダメだわ。






< 8 / 106 >

この作品をシェア

pagetop