天使の羽が降る夜に
未紅
舜に半ば脅された形で始めた会話。
3日目にもなると少しずつ慣れてくる。
敬語もあまり使わなくなってきた。
「未紅はさ、この失敗以外に何かしてるだろ?」
うっ・・・痛いところを突かれた。
・・・だって、ドジなんだもん。
「えー、魂入れる箱を忘れてきて、魂を追い掛け回したこととか・・・頑固な魂はなかなか入れ物に入ってくれなかったりとか・・・?」
「ぷっ、どんくせー」
「ええ?そ、そんな事ないよ」
「は?今この状態になってることは・・・どんくさくないのでしょうかね?」
「ぎゃー。それは言わないでよ・・・大体舜が知り合いに言うっていうから・・・」
「・・・でも、俺が誰に言うと思ったの?」
「え?」
「だって、天使の知り合い?いるわけねーじゃん」
な、なんですとー!!
「あ!・・・騙したの!?」
「は!?騙したとか人聞き悪いな・・・引っ掛けたの」
「ど、どっちにしても一緒でしょー?」
「え・・・じゃあ、もう明日から来ないの?」
舜の顔が暗くなる。
「来るよ。なんで?」
「いや、来る理由がないから・・・」
「約束だしね。ちゃんと来ます」
だって、楽しいんだもん。
「未紅はいいやつだね」
「え?」
「さすが天使だよ」
褒めないでよ・・・恥ずかしい。
「あれ?恥ずかしかった?」
「・・・もう!すぐからかうんだから!」
「ははっ。だってすげぇ素直だから・・・」
「・・・それしか取り柄がないんです」
口を尖らせる。
「いいんじゃないの?へそ曲がりの天使なんて俺嫌だぜ?」
「あ、そう?」
「ぷっ・・・単純・・・」
「もぉおおぉお!」
そういいながら笑う舜は本当にかっこいい・・・・・いや、いやいや、何?なに?
今かっこいいとか・・・思った!?
ヤバイわ。
ダメだわ。