天使の羽が降る夜に
未来へ
未紅
・・・痛い・・・苦しい・・・・体が重い・・・。
私はどうなってしまうのだろう・・・。
・・・舜の魂はどうなった?
『・・・紅』
声が・・・聞こえる・・。
『・・未紅』
この声・・・・舜?
「舜?」
『うん・・・未紅ありがとう・・・どうやら俺の願いは叶えてもらえそうだ』
「本当!?」
『ああ』
「良かった」
そうつぶやいた瞬間。
私の目に前に・・・舜の姿が・・・・。
『未紅』
優しい笑顔。
「舜!」
私が舜の元へ行こうとしたとき
『来るな!』
舜が怖い顔をして私を止めた。
「どうして?」
『未紅・・こっちへ来ちゃダメだ』
首を振る舜。
目が熱くなる。
「・・・舜」
どうして‥‥また会えたのに。
一緒に行けるのに。
『皆が待ってるところへ戻るんだ』
「皆?」
『ああ、皆未紅を待ってる』
「舜は?」
『俺は・・・未紅が叶えてくれた俺の選んだ道に進むよ』
舜の道・・・。
『さあ・・・これで本当にさよなら‥‥だ』
「・・・舜」
『俺は行かなくちゃ・・・未紅、お前も・・・自分の道を‥‥』
嫌だよ・・・一緒にいて・・・口にでかかった言葉を飲み込んだ。
私のことを考えてくれた故の決断。
わかってるけど‥‥。
「どうしても?どうしても・・お別れなの?」
『そうだよ・・・俺との約束忘れんなよ』
私の愛した舜の笑顔。
私も笑顔で返す。
『その笑顔が見たかった。俺を愛してくれてありがとう・・・・・未紅・・・・さよなら・・・・』
舜は笑顔のまま光の中へ消えていく・・・・。
「舜!わたしこそだよ。愛してくれてありっ‥‥がと‥‥」
言いたいことは沢山ある。
だけど言葉がうまく出てこなくて‥‥舜の姿が見えなくなったとき、
『最後に俺からのお礼・・・受け取って・・・』