天使の羽が降る夜に
あれから未紅を目で追うようになっていた。
あ、未紅がこっちに来る。
なんだ?
ドキドキする・・・。
「聖夜」
「お、おう・・未紅・・どうした」
ヤバイ・・・どう接していいか分からない・・・。
「少し・・・出かけてくるので・・・」
「わ、わかった」
目を合わせられない・・・。
?
と言わんばかりの顔で俺を見る。
やめてくれ・・・。
どうしていいか本当に分からないんだって。
「例の海か?」
「うん」
未紅は嫌なことがあったりすると、海を見に行くようになった。
前はそんな事なかったはず・・・。
「・・・未紅」
「うん?」
行きかけてる未紅を止める。
「最近、海に行くのは・・・理由があるのか?」
すると未紅は少し赤くなって
「舜とデートした場所なの・・・」
恥ずかしそうに笑う。
ズキ・・ズキズキ・・・
痛い・・・胸が痛い・・・。
「・・・そうか」
「じゃ、行ってきます」
嬉しそうに行くんだな・・・。
あんな顔俺には見せてくれないからな・・・。
「はぁ」
未紅がいなくなってからため息を吐く。
「なんだよ・・・聖夜ため息なんて珍しい」
「あ?・・・ああ」
「・・・未紅チャンに恋煩いか?」
は?!
ま、まさか・・・。