天使の羽が降る夜に


「そうか・・・舜は生まれ変わりたいって・・・」

「うん」

すごいよ。

沢田舜・・お前は本当にすごいよ。


その時

「オギャー・・・」

「おめでとうございます。元気な男の子ですよ」

「ありがとうございます!」

元気な赤ちゃんが生まれた。


「舜・・・おめでとう」

未紅は泣いていた。

だけど悲しい顔ではなくて・・・本当に嬉しそうに微笑んでいた。



舜の願いを見届けると

「さあ、行きましょう」

ファイルを閉じて俺を見る。


舜・・・お前の強さと勇気を少しわけてくれ。

「未紅」

「はい?」

「これを見て欲しい」

「ん?」

俺は今まで隠してつけていたピアスを見せた。

「そ・・・それは・・・・」

未紅も自分の耳に触れる。

「舜から・・・預かったピアスだ」

「・・・・・」

「未紅・・・俺は舜のようには愛せないかもしれない。でも、未紅を守りたいって思う。・・・側にいて欲しいって思う。・・・昔とは違う気持ちで」

「・・・聖夜?」

分かったよ・・・舜。

お前の言っていたことが・・・今・・やっと・・・。

「未紅・・・俺はお前が・・・好きだ」

「聖夜・・・」

「少しずつでいい・・・俺との未来を考えてくれないか」

未紅の目から涙が溢れて・・・

「はい・・・よろしくお願いします」

俺に泣きながら笑顔を見せた。


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