天使の羽が降る夜に
番外編

聖夜の苦悩と未来



「聖夜と未紅チャンが付き合って、そろそろ5年か?」


いつものように仕事をしていると仲間の亮介が聞いてきた。

亮介は見習いのときから一緒にいる仲間だ。

かれこれ300年の付き合いになる。

「おう・・・そうだな」

「なんだよ?元気ねぇな」

相談してみようか。

「未紅のことなんだけど・・・」

「なになに?未紅チャンと何かあったのか?」

俺が未紅の話をすると、本当に嬉しそうに聞くんだよな。

「・・・・やっぱり、いいや」

馬鹿にされるだけかもしれない。

「なんだよ。言いかけてやめるな。気になるだろ?」

「・・・・・いや・・・」

どういえばいいのか・・・。

「おっ!噂をすれば・・・」

話をしていると未紅がやってきた。

「聖夜」

「未紅」

「これ。お願いします」

箱には沢山の魂が入っている。

「はい、お預かりしまーす」

箱を受け取ったのは亮介だ。

「いつも元気がいいですね」

クスクスと未紅は笑う。

・・・・ムカッ。

最近亮介にまでムカムカすることがある。

・・・なんだろう・・・今までこんなことなかったのに・・・。


「それでは・・・」

「未紅チャン、また魂集め?」

「はい」

「もう大天使様なんだから行かなくてもいいんじゃない?」

「そうなんですけど・・・舜との約束ですから」

ニコッと笑う未紅。

ムカムカ。

「それでは、行って来ます」

笑顔で去っていく・・・・。

クソッ、面白くない。

「いってらっしゃーい!!」

亮介は大げさに手を振る。

未紅はその様子にまたクスクス笑っていた。


「聖夜、お前もなんか声掛けてやれよ」

呆れたように俺を見る。

「うるせぇ」

わかってるんだよ、お前に言われなくても。


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