天使の羽が降る夜に
「しかし、あの聖夜がねぇ~」
ニヤニヤするなよ・・・。
「なんだよ?」
俺は亮介を睨みつける。
「今日のお前の睨みは全く怖くないよ~」
チクショー。
亮介に弱みを握られたみたいで悔しいぞ。
「ほらっ、今日は亮介の番だろ?・・・行けよ」
俺は魂を運ぶことを促す。
「はいはい、行って来ますよ・・・ププッ」
・・・ムカッ。
いったいなんなんだ・・亮介が分かって俺が分からないことなんてあるのか?
亮介の奴本当に分かってるのか?
・・・怪しい。
それから数日がたっても俺の気持ちの原因は分からず・・・。
その俺のイライラをみながら亮介は笑っている。
クソ~。
ここ最近は未紅と話をするのでさえ、イライラしてる。
そんな俺の雰囲気がわかるのか未紅はあまり俺と話をしなくなった。
側にいて欲しいのに・・・接し方が分からない。
今日も未紅は魂を集め終わると海へ出かけていった。
帰りには必ず舜の生まれ変わりを見てくる・・・それが一番気に入らない。
「あの・・・」
天使がやってきた。
俺の雰囲気が怖いのだろう・・・怯え気味だ・・。
すまん。
「どうした?」
「未紅様は?」
「出かけてる」
「大天使様がお呼びなのですが・・・」
「分かった伝えてこよう」
「ありがとうございます」
それだけ言うと逃げるように去っていく。
・・・そんなに俺が怖いか・・・。
「あんまり天使ちゃんを怖がらせんなよ」
「うるせぇ。俺だって好きでイライラしてるわけじゃねーんだ」
「はぁ。・・・未紅チャンのところ行って来いよ」
「・・・おう・・・」
ため息つくなよ。